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存在しなかった記憶

現実の歴史が少しだけ変わった「IFストーリー」と「架空年表」の創作アーカイブ。

完全なファンタジーではない、実話80%・架空20%で描かれる、少し切なくて最後に救われる「ありえたかもしれない未来」の記録です。

これは現実だったのか、それとも別世界の残響か。
WORLD LINE 0.199472

最新の記録アーカイブ

<ブラック企業:世界線0.199472の残響>

深夜2時、PCとスマホを両手に抱え、脳が溶けそうな残業中だった。

「このクソ企画、誰が通したんだよ。残業代出ねぇのにやってられっか…」

友友人送るつもりの愚痴を、疲労で指が滑り、部署全体チャットに誤爆した。

送信取り消しボタンを押すも、既に「〇〇さんがメッセージを取り消しました」の通知が虚しく響く。心臓が止まった。翌日からの地獄を覚悟した。

だが、翌朝。誰もその件には触れない。後でチャットログを確認すると、深夜帯だったためか、既読はごくわずか。

奇跡的に、誰も深く見ていなかったらしい。この世界線では、まだ生きていける……。全身の力が抜けて、デスクに突っ伏した。

――そう思ったのは、その日の昼までだった。

ふと、自分のスマホの送信履歴を見る。「部署全体チャット」のログがおかしい。昨夜、私が誤爆したはずのメッセージが、最初から存在すらしていないのだ。「メッセージを取り消しました」の跡形もなく、ただ静まり返っている。

代わりに、見覚えのない通知が1通だけ届いていた。

『世界線変動を検知。あなたへのペナルティとして、「あなたがこの会社を辞めたがっていた記憶」を、明日、全社員の脳内に直接同期します』

<#8514 最終列車の汽笛、あるいは静寂のオフィス>
終電文化 × リモートワーク (世代が違った / 不思議な実在感 / 共感 0)

かつて都市部には「終電」という儀式があった。夜半のホームに吸い寄せられる、疲労とアルコールと微かな連帯感。駅員の怒号を背に、酩酊した誰かを支え合い、翌朝「昨日は危なかった」と笑い合う。それまでがひとつの文化だった。

しかし数年後、オフィスでは奇妙な乖離が始まった。隣の部署の人間が、一向に出社してこないのだ。彼らの仕事は画面の向こう、自宅の片隅で完結していた。「終電?ああ、あの混んでるやつ。乗ったことないです」と、若い世代は事もなげに言った。

終電を生き抜いた世代にとって、それは異世界の光景だった。「本当に仕事をしているのか?」と首を傾げるベテラン。一方のリモート世代は「会社に泊まる意味が分からない」と冷ややかに画面を見つめる。同じ会社に籍を置きながら、彼らが場所と時間を共有することは二度となかった。

終電の喧騒と、深夜の自宅オフィスの静寂。二つの世界は並行したまま、決して融合することはなかった。

――だが、画面の電源を切った一瞬、誰もいない暗い部屋に、存在しないはずの「最終列車の汽笛」が遠く響いた気がした。

>> 第二話を覗く(架空年表アーカイブへ)

存在しなかった記憶とは

存在しなかった記憶は、 「ありえたかもしれない未来」 「存在したかもしれない人生」 「別世界に残された記録」 を保存するアーカイブです。

完全なファンタジーではなく、 現実の延長線上に存在したかもしれない IF世界・架空年表・別世界線を扱います。

少し笑えて、 少し切なく、 最後に少しだけ救われる。 そんな“存在しなかった記録”を この場所に保存しています。

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